こんにちは。石巻担当芝田です。
6月28日に大船渡市で開催されたシンポジウムに出席してきました。
石巻市から大船渡市へ行くには途中気仙沼市や陸前高田市を通過していったのですが、まだまだ、津波の傷跡が残っています。
気仙沼市大谷海岸駅の跡(右の建物は道の駅)
陸前高田市の復興事業で作られた巨大コンベヤー
山を切り崩し、その土砂を造成用に使用する
被災地を見に来る人達
まだ、取り壊されず残っている津波の被害を受けた建物
シンポジウムは大船渡市の大船渡市民交流館・カメリアホールで行われました。
主催:公益財団法人 共生地域創造財団
プログラム
基調講演:「生活困窮者自立支援法が目指すもの」
厚生労働省 社会・援護局地域福祉課長 矢田宏人氏
活動紹介:地域共生創造財団 熊谷新二
パネルディスカッション:テーマ「過疎地域・地方の生活困窮者支援を考える」
登壇者:厚生労働省 社会・援護局地域福祉課長 矢田宏人氏
大船渡共生まちづくりの会 代表 近藤均氏
NPO法人くらしのサポーターズ 副理事長 吉田直美氏
一般社団法人社会的包摂サポートセンター
東北統括コーディネーター 山屋理恵氏
公益財団法人共生地域創造財団 岩手事務局 熊谷新二
公益財団法人共生地域創造財団 代表理事 奥田知志
シンポジウムには約150名の方が参加されたようで、参加者の多くの方は大船渡市からで、社協や民生委員の方々が参加されていたようです。
このシンポジウムでは被災地を舞台とした生活困窮者の支援のあり方について議論すると共に、2013年12月に成立した生活困窮者自立支援法がどのような目的で地域やその地域における生活困窮者支援につながっていくかについて話されました。
基調講演ではこの法律や制度について「生活保護の一歩手前のセーフティーネット」でありこと。また地域が協働して行うセイフティーネットであり、地域づくりもこの制度では目指していることを話されました。またこの事業を単独の組織が行うのではなく、JVのように協働して行う事がいいのではないかということもおっしゃっていました。
基調講演:厚生労働省 矢田宏人氏
パネルディスカッション
パネルディスカッションでは6名が登壇し、近藤氏、吉田氏、山屋氏が所属する団体の活動を紹介。近藤氏は大船渡市において地域住民が今後共生していける街づくりが必要と説明。吉田氏は現在岩手県沿岸部で行っている相談事業について説明。その中で衣食住の安定確保のための提案をされていました。また相談を行っている中で、食糧支援が必要な方が増えている現状があることについても話をしていました。
山屋氏は今までの「寄り添いホットライン」の活動で分かってきた事について個別事例を入れながら説明。H25年度でホットラインへの総呼数は合計で561,656件。そのうち被災3県だけで558,539件。接続完了率(電話がつながり相談に乗れたもの)は19%程度であったとのこと。その活動の中で見えてきた被災地における相談内容のキーワードは「孤立」「家族」「暴力」「自殺念慮」「生活困窮」であるとのこと。被災地における復興・生活再建は長期戦であり、これからが支援の本場であり、生活困窮者自立支援法において期待するところは大きい事を述べられていました。
来年4月からスタートするこの制度において主軸となるのは自立支援相談事業であるが、相談する人の中には食に事欠く人がいることも想定されるので、フードバンクとして何ができるかをしっかり考えていく必要があると感じたシンポジウムでした。